絶滅した動物を、最新のクローン技術でよみがえらせる
絶滅した生物種をよみがえらせるというアイデアは、作家マイケル・クライトンが『ジュラシック・パーク』の恐竜たちを世に放って以来、現実とSFの狭間を長らくさまよっていたが、獣医師のフェルナンデス=アリアスは「ついにその時が来たのです」と言う。
フェルナンデス=アリアスが、絶滅したヤギ、ブカルド(別名:ピレネーアイベックス)の復活に初挑戦したのは10年前。
クローン羊のドリーが、哺乳類初の成功例として誕生してからまだ7年しかたっていなかった。
しかしその後、クローン技術の改良が続き、いまやクローンづくりは高リスクの実験から、当たり前の作業になりつつある。
ただし、復活が望めるのは、今から数万年前までの間に死に絶えた生物種に限られる。
無傷の細胞か、少なくともゲノムを再構築できる程度のDNAが残っている必要があるからだ。
つまり、復活が理論的に可能なのは、人類が世界の覇者になっていく過程で絶滅した生物種ということになる。
さらに年代が近くなるほどに、狩猟や生息環境の破壊、病気の蔓延など、絶滅の直接のきっかけとなった加害者が人類であるケースが多くなる。
復活に力を入れたくなる理由は、このあたりにもあるのだろうか。
米スタンフォード大学の生命倫理学者ハンク・グリーリーは、この問題の倫理的、法的な側面に強い関心を寄せてきた。
そんなグリーリーも、絶滅種をよみがえらせるという離れ業を可能にした科学の進歩を高く評価し、いたずらに敬遠するのではなく、むしろ受容すべきだと考えている。
グリーリーは言う「掛け値なしに、すごいことだと思いますよ。たとえばサーベルタイガーなんか、いつかこの目で見てみたいものです」
※ナショナル ジオグラフィック4月号から一部抜粋
なんか夢のあるお話ですが、
倫理的な問題とか、
遺伝的な問題とか、
難しいことが
沢山ありそうです…。
因みにサーベルタイガーは、こちら
そういえば、
ドリーのその後は?
クローン羊「ドリー」は?
有名な世界初のクローン羊「ドリー」は若くして病気にかかり、6歳で安楽死させられた。
進行性の肺疾患を発症したため、6歳と半年あまりで安楽死させられたのだ(羊の寿命は10〜12歳程度とされる)。
年齢にしては早すぎる関節炎にもかかっており、クローンであることが原因だったかどうかについての論争を巻き起こした。
ドリーは、6歳の雌羊の乳腺細胞からのクローニングによって誕生した。
そして2007年には、ドリーのクローニングで使われたものと同じ乳腺細胞株から、新たに4頭の羊がつくり出された。
この件から「クローン=健康に異常をもたらす」と考えられがちだが、ドリーと同じ体細胞を使って2007年に誕生したクローン羊4匹は、9歳になったいまでも健康に生きているという。
そうだったんですね。
その4頭以降、
普通(^^;の
クローンはどうなんでしょう?
2018.01中国で
おサルさんのクローンが誕生していました。
クローンを作ることは倫理的に問題ないの?
中国科学院の博士研究員ゼン・リウ氏が率いる研究チームは、長年にわたる努力の結果、2匹のメスの体細胞クローンのカニクイザル「チョンチョン(中中)」と「ホワホワ(華華)」を誕生させた。
論文の共著者である中国科学院脳科学卓越革新センター所長のムーミン・プー氏は、「ヒトを含む霊長類のクローンを作る上での技術的な壁は打ち破られました」と言う。
「私たちがこの壁を壊すことを選んだのは、ヒトの医療に役立つ実験動物を作るためです。この手法をヒトに応用するつもりはまったくありません」
動物愛護団体は、霊長類がヒトに近いからこそ、実験に使うことは残酷だと批判してきた。
また、クローン動物を作ること自体についても、流産の多さ、不毛な社会環境、親ではなく人間に育てられることなど、動物に不自然なストレスを与えるものだと主張している。
簡単に言うと、ほんの数カ月から数年でクローン人間を作ることが技術的に可能になることを示している。
ミシガン州立大学のクローン研究の専門家であるホセ・シベリ氏は、今回の研究には関与していないが、「もう後戻りはできません」と言う。
しかし、ここから進んでクローン人間を作るかどうかは、まったくの別問題だ。
ナショナル ジオグラフィックがインタビューした科学者の全員が、現時点ではヒトのクローンを作る必要はないし、無責任だと強調する。
「現時点でヒトのクローンを作る必要は全然ありません」とプー氏は言う。
「この問題については国際的な議論が必要です」
SF映画で描かれて来たような、
おぞましいトラブルが、
現実になりませんように。
最後までお読み頂いてありがとうございましたM(_ _)M